カクテルの名前
前回のLessonにて、カクテルの起源についてご紹介しました。
無数に存在するカクテル。その中でも各カクテルにも歴史が存在します。そのカクテルが生まれたきっかけや、名前に関する由来など。
カクテルの名前は、お酒の名前をそのまま使っているものや、なんだか不思議な名前まで様々です。
そんなカクテルの名前の由来について、ここから学習して行きましょう。お酒の席で使える大人のマメ知識も少しご紹介します。
それぞれのカクテルレシピについては、Lesson6からカクテルレシピでしっかり学習していきましょう!
ギムレット(gimlet)
ギムレットとは、ジンベースのカクテルです。
このカクテルの名前には、由来となる有名なお話があります。
ギムレットが世に広まったきっかけは、レイモンド・チャンドラーの推理小説「長いお別れ」に登場する「ギムレットにはまだ早すぎる」という台詞でした。
ギムレット自体の発祥は、1890年頃、海軍医のギムレットによるものです。彼は新人将校の無茶な酒の飲み方を憂慮し、飲みすぎの防止策としてジンにライムを入れて飲むことを提唱しました。
そこからギムレットの提唱した飲み方が定着し、名前も考案者の「ギムレット」となったのです。
マルガリータ(Margarita)
マルガリータはテキーラベースのカクテルです。
本来、マルガリータとはスペインの女性の名前です。
マルガリータという名称の由来は諸説あるのですが、一番有名とされているものを紹介します。
1949年に、ロサンゼルスのバーテンダー、ジャン・デュレッサーが考案したとされています。マルガリータは、彼がUSAナショナル・カクテル・コンテストに出場して3位になったときの作品です。
マルガリータとは、彼の若かりし頃の恋人の名前でした。
狩猟場にて流れ弾に当たり、不幸な死を遂げたマルガリータ。そんな彼女を偲んで生まれたのがこの「マルガリータ」と言われています。
ブラッディ・メアリー(Bloody Mary)
ブラッディ・メアリーはウォッカベースのカクテルです。
直訳すると「血塗られたメアリー」となり、なんだか恐ろしい名前です。
このカクテルの名前の由来は、16世紀のイングランド女王、メアリー1世に由来すると言われています。メアリーは、女王に即位後、カトリック復興のため大量のプロテスタントを処刑したことから「血塗られたメアリー」という異名を持っていました。
ブラッディ・メアリーはトマト・ジュースを使用しており、見た目がまさに「血塗られたメアリー」という名にぴったりだったことからこの名がつけられました。
しかしその名前と由来とは裏腹に、ブラッディ・メアリーはトマト・ジュースやスパイスなどを使用しているため、健康にはとても良いとされているカクテルです。トマト・ジュースを使用していることから女性にも人気があります。
このように、カクテルの名前には様々な逸話が存在します。
カクテルの種類を学習していくと同時に、その名前の由来などに注目してみるのもカクテルの楽しみのひとつです。カクテルマイスターとして、お酒と共に愉しめる知識を身につけていきましょう。


