カクテルとは
カクテルには、はっきりとした定義は存在しません。早い話がベースとなるお酒に他のお酒や飲料、果物や香辛料などを加えたものを一般的にカクテルと言います。
しかし、アルコール成分が1%未満のノンアルコール・カクテルというカクテルも存在するので、必ずしもお酒を混ぜたものがカクテルとは限りません。
広い意味で捉えると、カクテルは「飲料に何かを混ぜたもの」ということになります。
カクテルの歴史
まずは、カクテルのルーツから紹介していきます。
カクテルの起源は、紀元前とされています。
古代エジプトでは、ビールにはちみつやナツメヤシのジュースを割って飲んでいたとされ、古代ローマではワインを水割りで飲んでいたと言われています。
「カクテル(Cocktail)」という言葉は直訳すると「雄鶏の尾」という意味になります。この語源についてですが、これには諸説あり実際のところは定かにはなっていません。しかし中でも有名な説はいくつかあります。その中の1つを間単に紹介したいと思います。
勘違いから生まれた「カクテル」という言葉
昔、メキシコのとあるバーにて少年が木の棒を使ってお酒と何か他の飲み物を混ぜていた。それを見ていたイギリスの船員が少年に、その飲み物の名前を尋ねた。すると少年は、尋ねられたのは飲み物の名前ではなく少年が持っていた木の棒の名前だと勘違いし、木の棒の愛称であった「コーラ・デ・ガジョ(スペイン語で雄鶏の尾)」と答えた。この「雄鶏の尾」を英語で訳すと「コック・テール(CockTail)」になることからミックスドリンクを「カクテル(Cocktail)」と呼び始めたのが始まり。
コックテールとカクテル。
ちょっと面白い逸話ですね。
歴史的なカクテルの変革
製氷機の登場
カクテルも誕生してから今に至るまで、様々な変革を迎えてきました。
大きな変革といえば、1870年代、製氷機の登場です。
それまで氷と言えば、冬の時期に川や湖が氷結したものを使うしかありませんでした。しかし、製氷機が誕生したことにより、年中氷が手に入るようになり、現在のカクテルの主流でもあるコールド・カクテル(グラスに氷が入っている冷たいカクテル)が生まれたといわれています。
アメリカの禁酒法
1920年から1933年までの間、アメリカでは禁酒法が施行されました。禁酒法とは、消費のためのアルコールの製造、輸送、販売が禁止された法律です。
すると優秀なバーテンダーが次々と職を失い、欧州へ職を求めて移住します。そこで、アメリカと欧州のカクテル文化が融合し、現代のカクテルスタイルが確立したと言われています。
アメリカでは禁酒法の中、味も悪い粗悪な酒を密輸、密造し、それにジュースやビター(薬草や香辛料などで苦味を付けた酒)などを混ぜて飲むことが流行したことにより、様々なカクテルが生まれました。
結果的に、アメリカの禁酒法はカクテル文化の発展に大きく貢献した形となったのです。
このように、カクテルには現在のスタイルになるまでに様々な経緯がありました。
現在も、ミクソロジー・カクテル、ノンアルコール・カクテルの登場など、日々カクテルは変化し、進化しています。


