Lesson3-3 ワインの美味しい飲み方

いざワインを購入したものの、家でワインをどうやったら美味しくいただけるのか、難しいですよね。しかし、少し気を遣うだけで家でも美味しくワインを飲むことができます。

ワインの適温は?

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ワインを飲むときに、赤ワインは常温、白ワインは冷やして、というイメージをお持ちの方も多いでしょう。しかし、実際のところ美味しく飲める温度はどのくらいなのでしょうか。

赤ワインの温度

「赤ワインは常温で」とよく言いますが、これはフランスの石造りの部屋での話しです。実際に美味しく飲もうとすると日本では常温より少し低めがベスト。赤ワインの適温は、品種や飲み口によって異なりますが、だいたい14~18℃とされています。

そのため、家で飲むときにはあらかじめ冷蔵庫に入れておき、飲む1時間ほど前に冷蔵庫から出しておくのがお勧めです。この時に、栓を開けておけばワインが空気に触れて、いただく頃には香りが豊かになります。

白ワインの温度

一方白ワインは、こちらも品種や飲み口により適温は異なりますが、酸味の強いものは5~10℃コクのあるものは10~14℃とされています。

甘口のものほど低温の方が味が引き締まって美味しくいただけます。白ワインも、冷蔵庫に入れておき、甘口やスパークリングワインは冷蔵庫から出してそのまま飲み、辛口の白ワインは飲む30分ほど前に冷蔵庫から出しておけば美味しくいただけます。

 

ワインに合ったグラスを使う

赤、白、スパークリングと、それぞれのワインを最も楽しむためにはそれぞれ異なる形のグラスを使用します。なぜわざわざグラスを使い分けるのか、それにはちゃんと理由があるのです。

ここでは、基本となる2種類ずつのグラスを、赤ワインと白ワインに分けてご紹介します。

赤ワインのグラス

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一般的に使用されている赤ワイン用のグラスは、白ワイン用のものと比べると大振りのものとなります。

赤ワインは空気に触れることで香りに豊かさが出ます。そのため、空気に触れる面積をより広くするために赤ワイン用のグラスは大ぶりに作られているのです。

また、グラスの淵が包み込まれるような作りになっているのは、香りを外に逃がさないようにするためです。

※様々なワイングラスに共通する形である持ち手が少し長い造りは、体温がワインに移らないようにするための構造です。

【ボルドーグラス】
名前の通りボルドーに適したグラスで、フルボディで渋みの強い赤ワインに最適です。形はゆるやかなすぼまりの大きなボウル型をしており、その形状でより複雑で芳醇な香りを解きほぐすことができます。
また、ワインが舌上で横に広がる構造をしており、厚みのあるボディを感じつつ、強い渋みをやわらげます。
ぴったりのワイン・・・タンニンがしっかりしたフルボディの赤ワイン

【ブルゴーニュグラス】
ブルゴーニュに適したグラスで、ボルドーグラスに比べてワインが空気に触れる面積を大きくし、香りを引き出しやすくしているのが特徴です。
酸味が強めで渋みは中程度、複雑な香りの赤ワインに最適で、ワインが舌先に導かれる構造をしていることで、強い酸味と果実味とのバランスを整えます。
ぴったりのワイン・・・酸が特徴のライト~ミディアムボディの赤ワイン

 

白ワインのグラス

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一方、白ワインはと言うと、赤ワイン用のグラスに比べると少し小ぶりな作りのグラスを使用します。白ワインは冷やして飲まれることが多いので、冷気を逃がさないためです。

【キャンティグラス】
縦長でしっかりとしたすぼまりをもつスタンダードなボウル形状のこのグラスは、軽めの赤ワインやさっぱりとした白ワインなど幅広い用途で利用できます。
その構造によりワインは舌先に導かれ舌の中央を直線的に流れることで、果実味と酸味のバランスを愉しむことができます。世界的な試飲会でも使用されるグラスとしても有名です。
ぴったりなワイン:ライトな赤ワイン、さっぱりとした白ワイン

【モンラッシェグラス】
モンラッシェグラスは、ボウルが大きい形状をしており、香りを引き出すのに有効で、コッテリと凝縮した果実味と柔らかい酸味をもつ白ワインに最適なグラスです。
ワインが舌上いっぱいに広がるので、柔らかな酸味と豊かな果実味とのバランスを整えます。
ぴったりのワイン:コクのある白ワイン

 

 シャンパン、スパークリングワインのグラス

 Igor Lateci/Shutterstock.com

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スパークリングワインによく使われるフルート型グラスは、気泡がきれいに見えるようにするため縦長になっています。しかし、フルート型グラスは香りを留めておくには不向きな形状です

スパークリングワインの風味まで楽しみたいという方は、フルート型ではなくチューリップ型のグラスがお勧めです。

 

ご紹介したこれらのグラス以外にも、より細かく分類されたワインに最適なグラスというものが存在します。しかし、なにが「最適」かは、人ぞれぞれの感覚によっても異なります。

ワインは、ワイングラスで味わいが大きく変わると言われているので、どのように変化があるのか、色んなグラスを使って試してみるのもいいかもしれません。

 

 デキャンタを使う

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デキャンタというのは、ワインを移し変えるボトルのことです。フランス語では「デキャンタージュ」と言います。

デキャンタに移し替えることによって、ワインに混じっている澱(おり)がグラスに混入するのを防ぐ役割と、デキャンタに移し変えた際に空気に触れることでワイン本来の風味を取り戻します。赤ワインの場合には、タンニンが和らいでまとまった味わいに、白ワインの場合、酸味が和らいでまろやかになります。

 

ワインを使ったカクテル

ここで少し、ワインを使ったカクテルをご紹介します。

【キール】

キールロワイヤル/Anthony J Damico/Shutterstock.com

キールロワイヤル/Anthony J Damico/Shutterstock.com

白ワインにクレーム・ド・カシス(リキュール)を少し加えます。白ワインとカシスのフルーティーな味わいが楽しめます。白ワインをシャンパンに変えるとキール・ロワイヤルというカクテルになります。

【スプリッツァー】

JM Travel Photography/Shutterstock.com

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辛口の白ワインにソーダとライムを加えたものです。シンプルで爽やかな味わいです。

【ワイン・クーラー】

赤ワインにホワイトキュラソー、オレンジジュース、シュガーシロップなどを加えます。お好みで果物を添えます。

【ミモザ】

Eduard Zhukov/Shutterstock.com

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シャンパンにオレンジジュースを加えます。シャンパン、オレンジジュース共によく冷やしてから作ると美味しくできます。

 

まとめ

家でワインを楽しむ時も、少し気を遣うだけでいつもよりも美味しくワインをいただけます。ワイングラスも特性を理解することで使い分け、ワイン本来の風味を自宅でも味わってみましょう。

ワインは、売り出した時点で美味しく飲めるように製造されています。購入したワインはできるだけ早く飲むようにしましょう。