Lesson2-2 カクテルの分類

カクテルには飲む所要時間やTPOによって分類や名称があり、その場に応じたふさわしいカクテルが判断しやすくなります。

また、作り方や材料によっても分類されていて、名称がそれぞれ異なります。

カクテルマイスターとして、まずはカクテルを愉しむスペシャリストになりましょう。そのための分類についてここでしっかりと学習していきます。

 

飲む所要時間での分類

カクテルには、飲む所要時間(長い時間をかけて飲むか、短時間で飲むか)によって2つに分類されています。

【ショート・ドリンク】

3523studio/Shutterstock.com

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短い時間で飲みきることを前提として作られたカクテルを「ショート・ドリンク」と呼びます。一般的にアルコール度数が高くて量が少ないのが特徴です。氷は入っていないことが多いですが、氷が使われる際はロング・ドリンクで使用している氷よりも細かい氷が使われることが多くなります。

【ロング・ドリンク】

 Mariyana M/Shutterstock.com

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「ロング・ドリンク」とはその名の通り、比較的長い時間をかけて飲むカクテルのことを言います。大きめのグラスで作られていて、氷が入っているものが多いです。

下記で説明しますが、温かいホット・ドリンクと冷たいコールド・ドリンクがあるのがショート・ドリンクとの大きな違いです。「長い時間をかけて」と言っても、あまり時間をかけすぎてしまうとコールド・ドリンクの場合は氷が溶けて水っぽくなってしまうので、味を楽しむにはできるだけ氷が溶ける前に飲みきりたいですね。

 

温度による分類

【コールド・ドリンク】

Mateusz Gzik/Shutterstock.com

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冷たいカクテルのことを指します。夏に飲むのに相応しいことからサマー・ドリンクとも呼ばれます。適温は6~12度くらいになります

【ホット・ドリンク】

Brent Hofacker/Shutterstock.com

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温かいカクテルのことを指します。冬に飲むのに相応しいことからウィンター・ドリンクとも呼ばれます。適温は62~67度くらいです。

 

TPO別の分類

カクテルには、時間帯や場面などでそのシーンに合ったカクテル、またはそのシーンに相応しいカクテルがある程度決まっています。それぞれそのシーンごとに名称付きで分類されています。

【食前酒】

食前に飲むことで喉を潤し、食欲を増進させる目的で飲まれます。一般的には辛口で比較的甘味の少ないさっぱりとしたカクテルがこれに当たります。アペリティフ(フランス語)とも呼ばれます。

【食後酒】

食後の口直しや消化促進の目的で飲まれます。比較的甘味が強く濃厚なカクテルがぴったりでしょう。ディジェスティフ(フランス語)とも呼ばれます。

【オールデイズ・ドリンク】

食前酒や食後酒など、シーンにとらわれずいつ飲んでもかまわないという意味のカクテルです。欧米では更に就寝前や夜遅い時間など、より細かい時間やシーンによって分類されています。

【ビフォー・ディナー・ドリンク】

食前酒と似たような意味合いですが、食前から食中にかけて飲まれるのがこのビフォー・ディナー・ドリンクです。食前酒よりも、ディナーの前に飲むという意味では少し優雅なニュアンスも含まれています。

【サパー・カクテル】

夜の遅い時間帯に飲まれるカクテルのことです。辛口でアルコール度数の高いものが多く、ビフォー・ミッドナイト・カクテルとも呼ばれます。

【ナイト・キャップ・カクテル】

就寝前に飲むカクテルのことです。いわゆる「寝酒」のことを「ナイト・キャップ」と言うので、寝酒のカクテル版です。寝る前にリラックスして熟睡するために飲まれます。ブランデー・ベースのカクテルや卵を使ったカクテル等が合います。

【クラブ・カクテル】

ディナーの際にオードブルやスープの代わりに出されるカクテルのことです。クラブ・カクテルの存在を知らないと、ディナーの際にオードブルが来ない理由が分からずに恥ずかしい思いをしてしまう可能性があるのでぜひ覚えておきましょう。

 

まとめ

カクテルにはそれぞれシーンごとに飲まれる種類に特徴があります。

シーンごとの特徴を把握することによって、カクテルを注文するときに迷わずスムーズに注文でき、TPOに合ったスマートな印象を与えられます。