マネープラン
どんなお金が必要なのか
もっとも面倒で、かつ意欲を削ぐような準備作業の一つです。特に女性は苦手な方が多いかもしれません。しかしここを疎かにしては、夢を実現させてても継続させることができません。しっかり考えていきましょう。
物件取得に必要な資金
まず、物件取得にかかる必要なお金にはどんなものがあるのかをあげてみましょう。
- 敷金:アパートなどの契約と同様です。
- 権利金:物件によります。とらえ方が異なることもあるので、きちんと確認することが大切です。
- 共益費:ビルの場合のメンテナンス費用や、商店街などの会費もあります。
- 更新料:契約を更新するときにかかる費用で、家賃の1~1.5ヶ月ぐらいが相場です。
- 保証金:物件によりけりです。契約終了時に返金されるのが普通。
- 礼金:家賃の1ヶ月分程度が相場ですが、大家さんとの交渉次第では値切ったり、ゼロにしたりすることもできるものです。
- 仲介手数料:家賃1ヶ月程度が基本です。
- 家賃1ヶ月分:物件によっては、入居する月の分もしくはさらにその翌月の分まで、前払いしなければならないこともあります。
- 手付け金:気に入った物件で、確保したいというときに支払います。借りる側の都合での話ですから、このお金は戻りません。ただし、契約成立した際には、敷金などの一部に充てられることがあります。
仮に家賃が20万円の物件だとすると、ここまでで既に最低でも80~100万円が必要となります。物件取得には大きなお金が動きますので、注意しましょう。
開業に必要なお金
次に、開業に必要なお金には何があるでしょうか。まとめてあげてみましょう。
- 設備・工事費用:内装や外装、空調など。
- 備品・什器費:厨房機器やテーブル、食器といった基本から、事務用品に至るまで。こまごまとしたものも多いです。
- 仕入費:食材や消耗品。一つ一つの価格は小さくても、まとまると結構な額になります。
- 広告費:チラシやチョップカードの作成、ポスティングの費用、ホームページ作成など。
- 運転資金:売り上げがゼロでも継続していけるだけのお金は用意しておきます。家賃の半年分というのが一般的ですが、これに自分の生活費を加えて算出するのを忘れずに。
- 資格取得費:開店のために必要な資格や申請に必要となるお金です。
融資を受けるには
自己資金で全て賄うことが難しい場合、開業するための一つの手段として、融資制度を利用する方法があります。ただし、審査を有利に通すためにも、やはり自己資金は大いに越したことはないということを覚えておきましょう。どの金融機関でもだいたい自己資金の2倍くらいまでが限度額となります。
ではどこに融資を申し込めばよいでしょうか。実績が無い新規開業者の場合には、かなり審査は厳しくなります。新規開業者の場合、選択肢は限られます。
銀行などの金融機関
まず、銀行などの金融機関は、あまり期待できません。家族の誰かが別の事業を行っていて、その銀行との付き合いが長く、かつそれなりに信用がある立場というなら話は別ですが、基本的にはあまり融資を期待することはできません。
日本政策金融公庫
「日本政策金融公庫」という選択肢があります。手続きがやや煩瑣で、審査にも時間がかかりますが、それを補って余りある魅力があります。
メリット
- 金利が比較的安い
- 固定金利で変動の影響を受けにくい
- 新規開業者への融資ハードルが低い
- 無担保、無保証人での融資制度がある・・・など
まず「金利が安い」ことです。ケースバイケースですが、融資期間5年以内の基準利率は2%程度です。さらに固定金利なので、物価変動等の影響を受けにくいこともメリットです。
さらに、ここが最大のメリットですが、「新規開業者にも融資してもらえる」ことです。あくまでも、日本経済の発展のために融資を行うという目的で設立された機関なので、初めての人でも敷居が低く設定されています。
さらに、やや金利は高くなりますが、無担保・無保証人でも融資してもらえる制度(新創業融資制度)もあるので、融資のハードルはかなり低めに設定されています。女性や若者、シニア向けの融資や、地域限定の融資(特に東日本大震災の被災地など)もありますので、まずはホームページなどで確認し、実際に足を運んでみましょう。
自治体の創業支援制度融資
次に考えたいのが、自治体の創業支援制度融資です。都道府県や市町村で行っているもので、ほとんどの自治体で行われていますから、ホームページなどで調べてみましょう。これも日本制作金融公庫の制度の一つです。
また、商工会議所では、こうした融資制度について詳しく相談に乗ってもらえます。ビジネスセミナーなども開かれていますので、足を運んでみる価値はあります。活用してみましょう。


